やぎりん日記

やぎりん!こと、作曲家の八木澤教司の日記です! 日々の体験や感じたことを書いていきます!
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◇ 追悼 – 関根剛二先生

10月 21, 2010 By: S.Yagisawa Category: 日記

尚美で授業をする昨日の水曜日、トランペットの門下の先輩より突然のお電話がありました。中学時代からご指導頂いてきた師匠の中で最も長くお世話になった関根剛二先生がお亡くなりになったと。9月末に千葉国体で元気に指揮をされていたはずなのに、そんなはずはない。9月中旬には今後のことで色々と話したいことがある、と夢を語られていた先生。そんなはずはない。確かに時々検査入院はされていましたが、そんなはずはありません。そしてしばらくすると携帯の着信に関根先生のお名前が。何だ、ちょっとした冗談かと思いかけ直すと奥様が出られました…。その時に現実のショックと驚きが一気に込み上げました。

中学時代に吹奏楽部の講師としてご指導を頂き、その後、トランペットの個人レッスンを3年間受けました。作曲家になりたいと相談し浦田健次郎先生をご紹介くださったのも関根先生。高校卒業の時に生まれて初めて公の演奏会で編曲をするチャンスをくださったのも関根先生。私にとって最も深く大切な時間を過ごした恩師。中学生の私に「音にはエネルギーと引力があること」「音には温度があること」「音の味付け」 を判りやすく例え話で教えてくださいました。高校生の私に「作曲家は厳しい世界だからよく考えなさい」と“本気であるか”を戒めてくださる激励も頂きました。大学1年生の時、これまで大学の教授陣が担当していた入学式のファンファーレに作品が採用された時には自分のことのように喜んでくださいました。近年では「コンクールの審査をしていると八木澤の曲をいつも聴くよ」「最近、インターネットで自分の名前を検索したら色んなところで八木澤のプロフィールが出てくるんだよ、嬉しいよ」と電話でお話する度におっしゃられていました。そして2年前からの〈ゆめ半島千葉国体〉では初めて関根先生と《仕事の現場》でご一緒できるようになり、数週間前に関根先生の指揮で盛大に開会式が行われ、これからもっとご一緒し今度は私がご恩返しをできれば…と。[写真:関根剛二先生 音楽生活50周年祝賀会

本日、中学時代にレッスンで通った見慣れた景色のある稲毛海岸駅へ向かいました。お通夜には多くの方々が参列されていました。関根先生のお人柄、ご人脈の広さを改めて感じました。「なぜ、ここにこの人が?どういった繋がりで?」とお互い驚く再会も多く“人と人とのつながりの大切さ”をいつも教えてくださった関根先生に最後のご指導を頂いた気がします。中学時代にしか関根先生に習っていない吹奏楽部員も参列するなど、多くの人たちの人生にとって関根先生が大切な存在であることが伺えました。親友の風間学くんは音楽を離れていることもあり中学時代から20年間も関根先生と話す機会はありませんでしたが、本日は彼と呑み明かし彼に当時の関根先生のレッスンについての鮮明な記憶があることを知り改めて関根先生の存在の大きさを感じました。私も今は当時の関根先生のように多くの中学生や高校生にお会いしますが、私は関根先生のように1人1人の生徒さんの大切な想い出になれているか正直、自信ありません。関根先生の弟子として、今一度心を改め活動をしていこうと思いました。私はもっと多くの経験を積んで関根先生から学んだことを必ず世界に伝えることをお約束します。22年間、本当にお世話になりました。本当に、本当にありがとうございました。[写真:国体レコーディング終了後の関根先生

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